理事長 木下勝弘
事業団は、神戸が発祥の地であるマルイトグループの創業40周年の記念事業として、昭和50(1975)年に、グループの創業者、故木下政雄初代理事長の資産を元に設立されました。
設立の趣意は、創立者の文章の中で読み取って頂ければ幸いですが、少年時代の木下政雄が学業の完遂を心に抱きながら実現しなかった自己の過去を顧みて、学資不足に悩む学生にその学資の一端を援助したいという願いが常に念頭から去らず、マルイトグループが創業40周年を迎えるに際し、記念事業として、私財とマルイト株式会社の利益金の中から基金3億円を拠出し、向学心に燃えながらも学資不足に悩む学生に学資の一部を援助することを目的に、昭和50(1975)年10月31日、財団法人木下記念事業団を設立しました。
事業団は学生に対し、昭和51(1976)年から返済不要の奨学資金の給付を、そして昭和61(1986)年からは寮費が無償の学生寮の提供を行なっています。
平成21年春には、事業団30周年の記念事業として、神戸市中央区元町に、寮室144室を擁する事業団の5つめの学生寮、神戸学生会館を建設しました。
平成20(2008)年12月に公益法人改革に関する法律が施行され、事業団は、平成24(2012)年1月5日に国の認定を受けた新たな公益財団法人となりましたが、事業内容は旧法人と変わることなく、創立者の意思を引き継ぎ、学生援助事業を継続しています。そして、新法人に移行後は、事業規模を漸次拡大しているところです。
事業団は平成27(2015)年に創立40周年を迎えましたが、これを機に事業を見直し、創立以来の事業である向学心に燃えながらも学資不足に悩む学生への修学援助事業としての「奨学資金の給付事業」及び「学生寮の設置運営事業」に加え、平成30(2018)年度から、大学等における若手研究者が行う学術研究活動に対する助成事業を行っています。